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私の娘は仮死出産でした。オギャーとかぼそい声で１度泣いただけ。
「あ一、仮死出産か…これはお産の予行練習か…」なんてことを思ったのを今でもはっきり覚えています。
この日を境に、私は量度重復障害児の母になったのです。

今では珍しいことではなくなりましたが、当時は気管切開と胃瘻という2箇所も管を過した寝たきりの子供が自宅で過ごすということは、あまり前例のないことでした。
頻回な吸引、6回／日の経管栄養（逆流症があったので少量ずつの注入でした）、一つ違いの姉の世話…この頃は3時間以上続けて寝た記憶がありません。
当時は、今ほど地域医療が普及しておらず、在宅支援は何も利用していませんでした。
障害を抱えた娘との日々の生活の中で

「誰か教えて…」
「誰か手伝って…」
「誰か私の話を聞いて…」
「誰か少しでいいから娘を看てて…」

誰か、誰か、誰か…いつもそんなふうに思っていました。

医療の進歩とともに、出産時トラブルがあっても助かる生命が増えました。
当時の私と同じように「誰か…」と思いながら子供と向き合い、生活せざるを得ないお父さん、お母さんも増えたと思います。
看護師であり、重度重復障害児の親である自分が、訪問看護という形でご家庭に伺い、当時私が思っていた「誰か」になりたいと思っています。
障害を抱えながら地域で生きていくことの大変さ、辛さ、様々な葛藤…

一人で抱え込まず、一緒に悩み、ともに解決策を見つけ出していく、 そんな役割を担っていきたいと思います。

様々な疾患や障害を抱えた方、そのご家族の方が少しでも安心して、地域でそして住み慣れた我が家で生活することができるよう、私の今までの経験を活かしてサポートさせて頂きます。