地域から孤立して、80代の母と50代の息子が寄り添って生活している。
他者を寄せ付けず、自分たちだけで生きようとしている母息子。
明らかに共依存関係。

このケースの訪問依頼がきたのは6月下旬。
ケアマネさんから、何とか支援に繋げたい、いずれはデイサービスに通所…まずは訪問看護から、と。
母は短期記憶低下しており、生活能力も著しく低下している。日常生活破綻寸前。
しかし、これは第三者である支援者のアセスメントであり、当の母息子は、支援を必要としていない。

どう介入していこうか…
拒否されたら、どうしようもない…

通りすがりに立ち寄った、という設定で訪問してみた。
玄関先で30分立ち話。
最初は警戒心強く硬い表情の母親。しかし数分後には笑顔で昔話を始めた。幼少期の頃、お転婆で、走り回っていた、と。
また、看護師として働いていた頃の話も。
「私の大先輩ですね!」というと、嬉しそうな表情をみせた。
30分喋り続けていた。
最後は「ありがとうね!」と手を握ってきた。

短期記憶低下が著しいため、私と話したことは、恐らくすぐに忘れているだろう。
次回も「はじめまして」と、言うことになると思う。

他者と話すことが第一歩
この人のこと、何となく覚えた!
困ったことがあったら、この人に頼ってみよう!
そう思ってもらえたら…
他の支援に繋げるきっかけになると思う。

地域で孤立している方々の拠り所、これも訪問看護の大切な役割だと思う。

…今度も、はじめまして、から始めて。
玄関先から、玄関の中、部屋の中、少しずつ受け入れてくれるよう、頑張ろう!!